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A-TOM ART AWARD 2026 受賞者展・授賞式開催

当社は、若手アーティストの育成を図るとともに、文化を通じた都市・地域活性を目指し、芸術を学ぶ全国の学生から作品を募集する「A-TOM ART AWARD」を2017年より開催しております。本年も多数の応募の中から、書類選考、プレゼンテーションによる最終審査会を経て4名の受賞者が決定いたしました。10/2(金)~10/24(土)  の期間、コートヤードHIROOにて受賞展を開催いたしました。

2027年には受賞者4名と共にアートプログラムを実施いたします。彼らのこれからも活動・活躍にご注目ください。

 

 

A-TOM ART AWARD 2026 EXHIBITION
Profile & Statement

高橋フウカ

2003年茨城生まれ。筑波大学 芸術学学位プログラム 博士前期課程在籍中。

地域とヒトとの関係に着目し、風景をテーマに立体作品やインスタレーションを制作している。

特に、普段何気なく見ている景色をいかにして主観的な風景として再発見させることができるのかについて関心を持ち、インスタレーション作品をそれらの装置として捉え、鑑賞とそれに伴う風景の喚起がどのような関係性によって生じているのかを研究している
instagram:https://www.instagram.com/fukatakahashi/

FLIP SCENERY
大学構内や野外展覧会で発表してきた本作品を、より多様な人々が交差する公共的な場へ展示し、現代社会における「人間と環境との関わり方」を問う実証の機会としたいと考え応募した。効率性や即時性が優先される現代において、身体的な実感を伴う不自由な鑑賞体験を提示することで、人々が日常の風景から新たな意味を見出す契機を社会へ還元することを目指している。

 

 

 

 

武井織る子

2005年生まれ。金沢美術工芸大学工芸科染織専攻在籍。素材の質感や特性を生かしながら表現する工芸に惹かれ染色を専攻。染色とフリーモーション刺繍を融合させた独自の表現を研究している。刺繍を単に何かを描く手段ではなく、時間や感情を刻む行為として捉え、身体の動きや感覚が布に残す痕跡を作品へと展開している。

instagram:https://www.instagram.com/oruko_0325/

それでも許してあげる
本作品は、藍染と刺繍を組み合わせた作品です。 ポリエステル糸で刺繍を施した綿の布を藍で染めることで、素材ごとの染まり方の違いから刺繍の線を浮かび上がらせています。 藍染は本来、天然繊維と親和性が高い染料なので、今回の作品で使用しているようなポリエステル糸は染料を完全には吸収しません。そのため、染色後も刺繍の線が残り、布と糸に視覚的な差が生まれます。 この素材特性による不均一さを、表現として積極的に取り入れています。 また、布全体を刺繍することによって生まれる布の歪みや揺らぎの形態変化が面白いとじ、全体を覆うような刺繍方法を選択しています。 中央には、日々書き溜めている日記の中の言葉を文字として判読できるかできないかくらいの文字で刺繍し(写真中央)、タイトルにはその言葉への応答となる語を用いています。 あえて可読性を下げることで、言葉を提示しながらも完全には開示したくないという距離感を、刺繍という行為で表現しています。

 

 

 

佐藤結希乃

2002年東京都生まれ

武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程版画コース在籍

「目の前にある存在そのものを見つめる」ことをテーマに、何気ないかたちを拡大した木版画を制作している。版をつくる際、細やかなかたちを彫刻刀で少しずつ彫り進めることで、複雑なものを複雑なまま捉えることを実践している。

instagram:https://www.instagram.com/yukino.o8/

試し書き
紙の切れ端に書いたペンの試し書きに惹かれ、その線を拡大した木版画をつくりました。 生活のなかで何気なく書き留められる線は、大きく拡大すると、それまで見えていたはずなのに気づかなかった姿が現れます。そのかたちは豊かでありながら、なにものでもなく、ただ存在そのものがあると感じます。小さな紙に書いた試し書きと、大きな木版画の試し書き、そしてその間にある二つの関係性を展示したいと考え、インスタレーション作品として構成しました。 現在、世界では限られた時間のなかで、いかに効率よく利益を生み出せるかが重視される場面が多くあります。そうした価値観のなかで、どうすれば自分が自分のままで世界と関わっていけるんだろう、と日々考えています。木版画は、イメージを転写させた版木を彫刻刀で少しずつ彫り進め、かたちを捉え直しながら版をつくっていく技法です。決して効率的とはいえないこの時間こそが、自分にとって大切なものだと思っています。 この作品が鑑賞者にとっても、意味や価値だけではない、目の前にあるかたちそのものを見つめるきっかけになったらいいなと考えています。

 

 

 

 

 

 

佐藤芽維

2002 年 秋⽥県⽣まれ

東京藝術⼤学美術研究科先端芸術表現専攻 修⼠課程在籍

テキスタイルやインスタレーションを中⼼に制作を⾏っている。

布を⾝体のメタファーであると同時に、環境との接触や時間の蓄積を受け⽌める記録媒体として捉え、光や気候、⽣活習慣など、外的な環境が⾝体感覚やものの⾒⽅に及ぼす影響を探っている。

秋⽥県で育った経験を背景に、冬や地⽅における⽣活感覚、都市と地方の差異、⼟地に根付

く⼿仕事や価値観に関⼼を持つ。布を縫う、つなぐ、覆う、痕跡を残すといった⾏為を通して、個⼈の⾝体と、その⾝体を取り巻く⼟地や社会との関係を可視化することを試みている。

instagram:https://www.instagram.com/meisato._.o/

Solar Brain
本作は、太陽光によって発電されたエネルギーと、三台のミシンによって構成されるインスタレーションである。 ミシンはそれぞれ異なる役割を持つ存在として配置され、太陽光発電量に応じて不規則に縫う・止まる動作を繰り返す。その動作によって布には時間の経過と環境の変化が痕跡として記録されていく。 自然環境の変化は、人間の身体や感覚、生活のリズムに少なからず影響を与えている。しかし私たちは、その変化を日常の中で意識する機会は少ない。 本作では、目に見えない環境の変化をミシンの運動へと変換することで、身体と環境との関係を可視化することを試みる。 私は秋田県で育ち、長い冬や日照時間の短い環境の中で生活してきた。 季節や天候によって身体や気分のリズムが変化することを実感した経験から、人間の身体は環境から切り離された存在ではなく、光や気候、時間の流れと相互に影響し合っているのではないかと考えるようになった。 本作では、その関係を直接説明するのではなく、太陽光によって動作が変化する装置を通して、環境と身体とのつながりを想起させることを目的としている。 不規則に動くミシンは、人間の身体や思考の揺らぎにも重なり、布に残された縫い跡は環境と身体が交わった時間の記録となる。